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国土交通省 大臣官房技術調査課 建設技術調整官 多田 智 氏
社会基盤整備に関わる公共事業は、ここ数年CALS/ECとして様々な情報化への取り組みがなされてきました。電子入札が確率され、図面はCADとなり、さらに電子納品が標準となり、工事現場での建設機械においてもマシンコントロール・マシンガイダンスの機能が付くなど、情報化施工の波が来ています。以前のように工事受注者と発注者の間で工事書類を持って走り回る必要はなくなってきました。しかし、まだまだこの情報化の取り組みは依然として各段階でのパーツでしかありません。
道路や橋などの社会基盤を整備・管理していく過程では、これまで技術者たちの蓄積されたノウハウで必要な情報を必要な時に受け渡ししていました。今後は、社会基盤のサービスレベルを下げずに受発注者とも限られた数の技術者で整備・管理し続けるためには、これらの一連の流れを「社会基盤の生産システム」としてとらえ、各段階で必要となる情報を効率的にシームレスに引き継いでいく事が重要となります。
社会基盤は、構想・調査の段階から工事着手までに長い期間を要し、調査・設計・積算と分業体制で成り立っており、工事完成後は30~50年と供用期間が長く、携わる技術者は何代も受け継がれることとなります。本セッションでは今、情報のシームレスな引き継ぎにより低コストで、満足度の高い社会基盤の整備・管理を進めていく必要がある重要性をお話いたします。
建設(建築・土木)、インフラ業界
国土交通省
大臣官房技術調査課 建設技術調整官
多田 智 氏
2011年4月より、国土交通省大臣官房技術調査課建設技術調整官として、国土交通省直轄公共事業の入札契約制度に関する業務に従事。これまで、道路局高速道路課有料道路調整室長、兵庫県道路建設課長、中部地方整備局高山国道事務所長、道路局企画課道路経済調査室課長補佐、中央省庁等改革推進本部事務局参事官補佐、在トルコ日本国大使二等書記官(経済協力担当)等を歴任。
建築分野等ではBIM(Building Information Modeling)の取り組みが進められている。3Dモデルに材料の仕様やコスト情報など、様々な属性情報を持たせ、そのモデルを施設の調査・計画・設計・施工・維持管理の全てのプロセスで一元的に活用する取り組みである。一方、インフラ分野の現状はというと、事業ごと、プロセスごとに様々な2D図面が作成され、様々な人によって管理されている。まずはそれら図面を統合・一元管理する必要があるが、さらにはBIMへと発展させていくことが望まれる。最近、国土交通省では、インフラでのBIMをCIM(Construction InformationModeling)と称し、その実現に向けた取り組みを開始した。3Dモデルにコンクリートの打設日時や当日の気象データ、品質、点検データ等、様々な属性情報を記録しておけば、後の維持管理効率が格段に向上するはずである。そして、その3Dモデルを調査・計画・設計・施工・維持管理のライフサイクル全体で一元的に管理すれば、インフラ整備プロセスは抜本的に変わる。コンサルタントは、CIMの構築、管理の役割を担えるはずである。本セッションでは、実務レベルでの3D技術の利用の現状を紹介するとともに、CIMの実現に向けた取り組みを紹介する。
土木・建設業界
建設分野での設計から維持管理に渡る3次元モデルの活用事例を元に、今後の3次元モデルを流通させるためのデータ流通基盤の整備に関する考え方を紹介する。
建設
八千代エンジニヤリング株式会社
技術推進本部 情報技術部
藤澤 泰雄 氏
八千代エンジニヤリング株式会社 情報技術部長
建設コンサルタンツ協会 データ連携専門委員会 委員長
土木学会 国土基盤モデル小委員会 副委員長
3次元モデル研究会 副会長
米マグロウヒル・コンストラクション社 スティーブ・ジョーンズ(Steve Jones)氏
株式会社イエイリ・ラボ 家入 龍太 氏
ここ数年、米国のインフラ事業で急速に普及してきたBIMの活用事例や3DレーザースキャナーやAR(拡張現実感)、3Dマシンコントロールなどの関連技術を幅広く紹介する。米国では社会インフラの老朽化が進行しており、今後5年間で約500兆円もの投資が必要となる。そこでインフラ分野にもBIMを活用することで、建築分野と同様に生産性を向上させることが期待されている。例えば地下空間の可視化、様々な解析、コラボレーションなどだ。
さらにプレハブ化によって工費を下げ、工期を短縮することが期待できる。米国マグロウヒル・コンストラクション社は昨年、インフラ関係者を対象にBIM活用度調査を行い、「土木のBIMがもたらす経済的価値(The Business Value of BIM forInfrastructure)」というレポートを発刊した。
このレポートからインフラ分野におけるBIM普及率の変化やBIM導入による生産性向上の効果、課題、今後の予測などを報告する。一方、日本の建設業界ではCALS/ECによって電子入札や電子納品、情報化施工などが実用化されている。
これらをBIM(またはCIM)のワークフローに組み込みながら、生産性向上を実現するためのビジョンを展望する。
建設業界
米マグロウヒル・コンストラクション社
シニアディレクター
スティーブ・ジョーンズ(Steve Jones)氏
米マグロウヒル・コンストラクション社シニアディレクター。9年間にわたり、主にBIM関連の調査や出版に携わる。ジョン・ホプキンス大学卒、ペンシルベニア大学ウォートン校でMBAを取得。バート・ヒル(Burt Hill)社で19年の設計経験、プリマベーラ・システムズ(Primavera Systems)社副社長として3年の経験がある。
※クラス内容、講師等につきましては、予告なく変更となる場合がございます。クラス会場内での撮影および録音はご遠慮ください。