開催レポート

AutoCADセッション

AutoCADセッションでは、実機を使ってAutoCAD 2010で搭載した3Dプレゼンテーション機能を使ったプレゼン手法やAutoCADが市場で選ばれる理由について実演と実例を元に説明しました。さらに、オートデスク製品以外で作成されたDWGファイルへの対処方法から、今設計現場で起きているCADデータのコミュニケーション技法について、Jw_cadを例に挙げ、効率よく業務を進めるテクニックなどを紹介しました。

アイコンの説明セッション資料(PDF)セッション動画(Silverlight)

B-1

AutoCADの3D機能が可能にする最新プレゼンテーション
- AutoCADをコアにしたビジュアライゼーション ソリューションの提案

オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション
伊勢崎 俊明

AutoCADでは、2007以降、3Dプレゼンテーション機能を強化されています。最新版のAutoCAD 2010 では、メッシュモデリングが可能になっており、より柔軟でクオリティの高い3D プレゼンテーションを行うことができるようになりました。
本セッションでは、米国で販売開始されたAutoCAD Visualization Suiteを背景に、AutoCADのプレゼンテーション機能の概要と、それ以上のプレゼンテーションを望まれる方にVisualization Suiteに含まれる3D CGソフトウェア、Autodesk 3ds Max Design 2010とデザインレビューのためのAutodesk Showcase 2010を用いて、その特徴とAutoCAD との差異を説明しました。
まず、AutoCADのモデリング機能で風力発電機のプロパラを作成し、AutoCADの ShowMotion機能を使ってモデルそのものをプレゼンテーションする手法やレンダリングやレンダリング品質のアニメーションを紹介しました。さらに、3ds Max Design を使って、AutoCADで作成した風力発電機のDWGをインポートし、AutoCADでは実現できない時間経過を反映させた回転する風力発電機のアニメーションの作成過程を解説、また、Showcaseでは、リアルタイムレンダリングを駆使したプレゼンテーションを紹介しました。
また、サブスクリプションユーザのみなさまにダウンロードで提供されるAutodesk Impressionでは、手書き風のプレゼンテーション図面の作成を紹介。一連のデモンストレーションによって、数多くあるオートデスク製品からプレゼンテーションにどの製品を使えばよいのか、製品の方向性や違いを明確にしました。

B-2

なぜ、AutoCAD が選ばれるのか?
- 設計現場におけるAutoCAD の導入による効果

オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション
伊勢崎 俊明

27年の歴史を経て、AutoCADは全世界185ヵ国で900万以上のユーザと70万社以上の企業で採用されるまで成長しました。
本セッションでは、AutoCADが多くのユーザから選ばれた理由として、製品初期の段階から提供されていたAPIが貢献したと説明がありました。この APIによって、自社の業務に合わせてユーザ自身がAutoCADをカスタマイズできたことにより、さまざまな業種でAutoCADの利用が広まったと指摘。ユーザ数の増大と共にDWGファイルを使った図面データのコミュニケーションが一般化したと語りました。さらに、DWGファイルの流通が増えた事により、近年、オートデスク製品以外から出力されたDWGファイルも多く出回るようになった点を取り上げ、主に、データやデータ構造が正しく扱われていないことが原因で、そのようなDWGが起因して業務に支障が出てしまうケースも報告。この対策としてオートデスクではAutoCADや他のオートデスク製品で作られたDWGをTrustedDWGとして読込み時に区別する機能が搭載されている点について紹介しました。
また、旧バージョンにないオブジェクトの情報を、さまざまなバージョンの AutoCAD間で流通させても、TrustedDWGやオートデスク製品を使う限り、データが保護される点のカスタムオブジェクトを例にとってデモンストレーションしました。万が一、TrustedDWGでないDWGファイルを受け取った場合でも、AutoCADが持つAUDITコマンド[図面監査] コマンドやRECOVER[図面修復] コマンドである程度破損図面を修復する機能があるという回避策も提示していましたが、見えない部分でのデータ欠落を予防する観点で、TrustedDWGとオートデスク製品の運用を推奨た。新しい試みとして、開発者向けにTrustedDWGの入出力が可能になるAutoCAD OEMやRealDWG SDKも紹介しました。

B-3

設計データのコミュニケーション手法(1)
- 他社CADとのデータ交換を例にとりコミュニケーション手法を考える

オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション
清水 卓宏

設計の仕事は繋がっているので、違うCADのデータを受け取り作業する場合もあります。その際重要なのは、相手のデータ構造を理解して適切なデータ処理を行うこと。本セッションでは、『AutoCADからJw_cadへのデータ交換』を例にとり、AutoCADの基本機能とDXFファイルだけを使い、データ交換の検証結果を紹介しました。正しく渡るオブジェクトや振る舞いの変わるオブジェクトを整理し、変換の際の注意点などを整理しました。Webで公開されている情報は確かに参考にはなりますが、不正確な情報も多いので、環境を確認して自ら検証を行うことも重要であることも実例を用いて紹介しました。データ交換のためノウハウの蓄積も重要ではありますが、データ交換が主業務にならないよう、また、データ交換の制約から、自社の作業の効率を落とさないように、設計データのコミュニケーションの目的を明らかにして、ビュワーを活用するなど、適切な手段を選択することが重要だと語りました。

B-4

設計データのコミュニケーション手法(2)
- 設計データ交換のための社内環境整備について

オートデスク株式会社
プラットフォームソリューション
清水 卓宏

B-3セッションに続く内容で、『Jw-cadからAutoCAD へのデータ交換』 を例にとり、検証実験で他社CADのデータをAutoCADに読み込んだ後の処理方法について紹介しました。また、その目的によっては、元のデータを取り込まず、AutoCAD 2010の新機能のPDFアンダーレイの機能を使い、画層コントロールをして手早く図面を仕上げる手法が優れている点も説明しました。他社CADのデータを取り込んだ後、AutoCADで作業を完結する場合は、初めにデータを整備することが、後の作業効率を上げることになります。AutoCADにはデータを整備する便利な機能が多数用意されており、その一部の機能がデモを交えて紹介しました。
なお、本セッションの続きは、7月開催のセミナー 「AutoCAD 夏期講習 −CAD標準化-」にて、さらに詳しく紹介しますので、ぜひ参加ください。

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