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Autodesk customer success story

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ユーザー事例 | 東京電機大学 東京千住キャンパス

ユーザー事例 - 東京電機大学 東京千住キャンパス

Autodesk customer success story

東京電機大学の新しいチャレンジ
AutoCAD ユーザー資格試験を大学で実施

東京電機大学(TDU)は、その名の通り工学分野の専門教育を中心に 100 年余の歴史を誇る私立大学である。実学尊重の理念のもと、産学協同プロジェクトなど産業社会とのコラボレーションも活発で、企業や研究機関で使われる最先端の技術や手法の導入にも積極的に取組んでいる。CAD についても早くから授業に導入しており、特にオートデスク製品は、AutoCAD を中心に Autodesk Inventor や AutoCAD Mechanical 等を授業で使用。多くの学生が日常的に AutoCAD 等を駆使している。2015 年 1 月、同大はこの環境を活かして、新たに「オートデスク認定資格プログラム」を導入、実施した。ここではその第 1 回試験当日の模様をレポートする。

初めての試みに予想以上の大反響

オートデスク認定資格プログラムは、世界のオートデスクユーザー 20 万人以上が持つ全世界共通の認定資格制度である。わが国でも 2013 年から運用が始まり、すでに多くの AutoCAD ユーザーがこれを取得してキャリアアップを実現している。では、教育研究機関である大学が、この資格試験を導入する狙いは何だったのだろうか?

学校法人 東京電機大学
総合メディアセンター
主事  木村 勉 氏

「本校では、15 年以上も前から授業で AutoCAD を使用しています。特にこの東京千住キャンパスでは、建築学科と機械工学科、ロボット・メカトロニクス学科の必修科目で全員が AutoCAD を使います。概数ですがその数は 2,500 名近くになるでしょう。オートデスク認定資格制度は、実は紹介いただくまで知らなかったのですが、本校ではこれだけ多くの学生が日常的に AutoCAD を使っているのですから、資格が取れるなら一度試してみよう――というのが正直な気持ちでした」。そんな風に語ってくれたのは、TDU 総合メディアセンターの木村勉氏だ。木村氏が勤務する総合メディアセンターとは、TDU 全体で使われる多種多様なメディアやアプリケーションソフト等を全学的な視野で導入し展開して、管理まで行なっていくための支援機関である。

「一番の狙いは、やはりこの資格が、学生たちの就職や将来の転職活動における武器になってほしい、からです。実際、リクルーティングサイトの求人等をみると、最近は応募資格に “AutoCAD が使える” ことを上げている企業も少なくありません。この資格が、学生自身の就職活動で有利に働く可能性も十分あると思っています。それに“社会に求められる技術者を育成する”という本校の理念にもマッチしていますからね」(木村氏)。そんな木村氏の言葉を受け、同じく総合メディアセンターの小山氏は、この取り組みの背景について、次のように語る。

学校法人 東京電機大学
総合メディアセンター
小山 仁 氏

「この資格試験そのものは日本ではまだまだ歴史が浅く、学生たちにどれくらい需要があるのか私たちもまだ手探りの状態です。ですから当初は、第 1 回の結果を見ながら需要があるのかどうか判断し、その上で今後に繋げていきたいと考えていました」(小山氏)。ところが実際に学生に向けてポータルサイトで資格試験の開催を広報し、受験者を募ったところ、予想外の事態となったのだという。

「告知を始めると、たった2〜3 日で 60 名の定員がいっぱいになってしまったんですよ。他のソフトのセミナー等では、頑張って呼びかけても 2、30 名程度しか集まらないのが普通で、なかなか満席にはなりません。しかし今回はあっという間に埋ってしまい、その後も“受験したい”と窓口に来る学生が何名もいました。試験対策テキストが用意されているという点も大きかったでしょうが、それにしても予想外の大反響でした」(小山氏)。

受験資格として「50 時間程度の AutoCAD 使用経験、または製図カリキュラムを受講して AutoCAD のツールやメニューを理解している方」という条件が設定され、特にハードルが低くなっているわけでもない。「試す」つもりで試験実施を決めた木村氏・小山氏にとっては、嬉しい驚きだった。―― やがて時計の針が午後 1 時を回ると両氏は静かに立ち上がった。

「そろそろ学生たちが集まり始めます。私たちも試験会場に向いましょう」。

試験対策セミナーでじっくり準備

東京千住キャンパスは、2012 年に TDU が、北千住駅前に開設した最新の都市型キャンパスである。環境に配慮した省 CO2 技術や高度な防災機能など最新技術が集約され、試験会場となった PC 教室も設備類はきわめて充実している。やがて開場の時間になり、学生たちが集まってきた。それぞれ受付を済ませると思い思いの席に着き、広々した教室もたちまち満席となった。

「募集は全学科の学生に向けて行ないましたが、応募者はやはり、AutoCAD に親しんでいる建築学科と機械工学科、ロボット・メカトロニクス学科の学生が中心です。他には理工学部の学生もいますね。彼らも授業や研究室で AutoCAD や Autodesk Inventor を使っているんですよ」(小山氏)。定期試験ではないので学生たちはリラックスした表情だが、会場ではスーツ姿のオートデスク側スタッフが準備を進めており、静かな中にもいつも違う緊張感が漂っている。

やがて時計の針は午後 2 時を回り、開演時刻となった。司会者が開会を宣言すると、すぐオートデスクの教育分野担当者が登壇し、短い挨拶のあと本日のプログラム内容を紹介し始めた。最初に試験対策のセミナーを1時間半ほど行ない、短い休憩を挟んで本番の試験――という流れで、トータルすると休憩時間を含めて 3 時間弱のイベントということになる。早速、セミナー講師役のオートデスクのコンサルタントが穏やかな口調で語り始めた。

「オートデスクの認定試験は2種類あり、今回皆さんに受けていただくのはユーザー資格試験です。これは AutoCAD を使い始めて間もない方のための認定試験となっています。もう1つはプロフェッショナル資格試験で、こちらは中・上級ユーザーが対象です。今日の試験に合格すると獲得できるユーザー資格は、実はワールドワイドに認定されるので、皆さんも合格すれば、その資格はアメリカでもヨーロッパでも同じように通用しますよ。日本ではまだ認知度が低いのですが、アジア圏でもたとえば台湾では国にも認められ、テレビコマーシャルが流れるほど知られています。皆さんもぜひ今日、合格し取得してください」。そう言って笑顔を浮かべた講師は試験内容の説明に取りかかった。試験は AutoCAD の操作にかかわる基礎からの出題を中心に計 30 問。PC 教室備え付けのパソコンで個々に解答していくわけだが、試験に関わる作業は Web 経由で行なうため実際には AutoCAD は使えず、AutoCAD 同様の操作感を持つシミュレータを使って答えていく。

「問題が 30 問で試験時間が 50 分ですから、解答時間は1問あたり 1 分ちょっとですね。合格ラインは1000 点満点で 700 点以上。終了すれば、合格/不合格もその場で確認できます。また出題される問題はさまざまですが、厄介なのが AutoCAD シミュレータを使って行なうシミュレーション形式の問題ですね」。ひと通りの説明を終えると、講師はテキストから問題を選んでポイントを解説しながら実際に解いて見せた。「厄介だ」というシミュレーションの問題も、同じように細かく説明を加えながら AutoCAD を使って実際の操作を見せていった。時間にすれば 1 時間弱のセミナーだったが、ポイントを絞った歯切れの良い説明で多くの問題を解説。その密度の高さに学生たちも大いに満足した様子だ。短い休憩の後、いよいよ試験本番となった。

キャリアアップに、力試しに

「試験では筆記用具と電卓以外は使用できません。ガイドブックはカバンにしまい、携帯電話の電源は切ってください。準備できたら、まずあなたのプロファイルを登録しましょう。システムにお名前などの情報を登録しプロファイルを作るわけです。出来形上がりましたら、それぞれ自分のタイミングで試験を開始してくださって結構です」。説明が終ると、学生たちは早速それぞれのパソコンに向かった。静寂のなか、キーボードの音が響き始める。

ここで資格試験で使われる試験用アプリのインターフェイスを紹介しよう。画面上部には問題ウィンドウがあり、ここに 1 問ずつ問題が表示され、その下には対応したシミュレータ画面が開く。受験者は上の問題を読み、下のシミュレータ画面で求められた操作を行なう仕組だ。後回ししたい問題があったら、チェックを入れて飛ばせば最後の一覧ページから、またその問題へジャンプし再挑戦できる。――学生たちは快調に解き進めていく。時おり手を挙げて試験官を呼ぶ者もいるが、簡単なシステムトラブルがほとんどで、すぐ解決して再びキーボードの音を響かせ始める。40 分を過ぎると早くも試験を終える者も出始めた。やがてロスタイムも含めた試験時間 50 分が過ぎると、全員が試験を完了した。誰もがすぐに自分の合否結果を確認し、そこここで小さな歓声が上がる。早速、試験を終えたばかりの2人の学生に声をかけ、話を聞いてみた。

「AutoCAD は学部3年の時に必修で使っていましたが、今は研究室で Autodesk Inventor ばかり使っています。だから今日は久しぶりに使ったのでちょっと戸惑いました、でも問題自体は決して難しくないですよ」と手応えを語るのは、ロボット・メカトロニクス学専攻の修士 2 年 菅崎暢崇君だ。その言葉通り、菅崎君は早々に合格を決めたという。

「いま自分は椅子ロボットを設計しているので、CAD は必須ツールなんです。将来は設計者を目指しているので、CAD をずっと使うことになるでしょうね。今回のユーザー資格もキャリアの1つになれば、と期待しています。それにテキストや対策セミナー、それに試験そのものもすごく勉強になりました。“こんな使い方があったんだ!”って驚かされたり……もっと早く知りたかったです」と笑う。一方、鶴田佳輔君は機械工学科先端機械コースの 3 年生。流体制御をテーマとする研究室に所属している。

「工業高校の頃から AutoCAD に触れ、今はプレス抜き型など部品から設計して組立図まで書いています。今日は知らなかった使い方やツールも出題されましたが、逆にそれが勉強にもなりましたね。事前にテキストも貰えるし、普通に使っていれば大丈夫ですよ」。そう語る鶴田君ももちろん合格組だ。彼の場合、この資格挑戦の動機は力試しだったという。

「ずっと AutoCAD を使ってきたので、その資格なら取っておきたいと思って。もちろん就職に活かせれば一番ですが、自分が AutoCAD を使ってきた証として取っておきたかったんです。将来はもちろん、プロフェッショナル試験にも挑戦するつもりです」。

菅崎 暢崇 君
修士2年 ロボット・メカトロニクス学専攻

鶴田 佳輔 君
工学部3年 機械工学科 先端機械コース

最終的に今回の TDU の受験者は 47 名。そのうち合格者は 36 名で合格率は 77 %に達した。社会人対象の試験でもなかなか出ない高い合格率である。TDU の学生の優秀さ、真面目さがあらためて証明されたといえるだろう。最後にもう一度、総合メディアセンターの木村氏に今回の感想を伺った。

「とにかく学生の反響が良かったことにあらためて驚いています。これを定期的に実施できるなら非常に喜ばしいことだと感じます。ぜひ継続していきたいですね。オートデスクでは学生・教育機関向けにソフトウェアも無償提供してくださっていますし、今回の取組みも含めて、今後ますます協力を深めていければ、と思っています」

東京電機大学 http://web.dendai.ac.jp

所在地:
東京千住キャンパス、埼玉鳩山キャンパス、千葉ニュータウンキャンパス
創 立:
1907 年
学 部:
工学部、工学部第二部、未来科学部、理工学部、情報環境学部
大学院:
先端科学技術研究科、工学研究科、未来科学研究科、理工学研究科、情報環境学研究科

使用ソフトウェア AutoCAD®

ユーザー事例 - 東京電機大学 PDF版(1.2MB)

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